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2016/07/25

大阪市国民健康保険の動向

Tweet ThisSend to Facebook | by kawahara
府内統一基準進める

大阪市国民健康保険の動向


5年連続国保料が値上げされる

 大阪市は「府内市町村との国民健康保険料(以下、 国保料)負担の公平」という考えのもと、国保料 を引き上げてきました。生野区民の方や会員の方 からも去年に比べて「国保料が2万円上がった」「前 年の2倍になった」など、値上げに対する悲鳴が あがっていました。
 なぜ大阪市は国保料を引き上げ続けるのでしょ うか。一般に、市町村は国保料を引き上げる理由 として、「一般会計から国保会計への繰り入れが厳 しい」「国保会計が赤字」をあげます。しかしながら、 大阪市の場合、国保会計は2008年度から2014年 度までの7年間で、259億9千万円もの黒字となっ ています。それにもかかわらず、今年度も、1% の 保険料値上げを決定し、5年連続の値上に踏みきり ました。

大阪市国保の存続こそ必要

 毎年、大阪市が国保料を引き上げる背景に、国 が示した2018年度からの国民健康保険、都道府県 一本化計画があります。大阪府は、国の計画に従い、 保険料率と減免基準「府内統一基準」の設定を進 めています。そのため、大阪市が独自に設けた国 保料3割減免の廃止など、市独自に国保会計へ繰り 入れている予算の廃止を進めようとしています。
 しかし、そもそも国保制度は、社会保障及び国 民の健康の向上に寄与することを目的としていま す。そのため、各市町村は、自らの状況に応じた 独自の制度をもっています。大阪市の保険料率・ 減免制度を新たに設ける「府内統一基準」で実施し、 市からの法定外繰り入れをなくすと、保険料が大 幅に値上げされることになり、市民へ混乱を招き かねません。
 2018年度からの保険料統一化を指向している都 道府県はわずかです。厚労省が公表したガイドラ インでは、国保会計への補填をいっそう削減しよ うとしています。
 しかし、ガイドラインには都道府県や市町村を 拘束する根拠はありません。国は統一化を目指す 方針を打ち出しているものの、それは市独自の制 度を廃止してまで統一化を推し進める根拠になる と言いがたいと思います。なにより、低所得者の 利用が多い大阪市の国保においては、府内統一化 より今ある市独自の国保制度の存続拡充が不可欠 ではないでしょうか。

減免制度の活用

 大阪市では退職や倒産、廃業や営業不振等にか かる減免制度があります。平成28年中の見込所得 (年度途中の退職等の場合は、当該状況が発生した 月以降の見込所得)が、前年比10分の7以下とな る方を対象としています。たとえば、退職・倒産・ 廃業・一定期間以上の休業・疾病や営業不振のため、 見込所得が大幅に減少する方は、医療分・後期高 齢者支援金分・介護分保険料の所得割を減免率表 に基づき減免されます。ただし、所得制限があり、 世帯全員(国民健康保険の資格がない世帯主は含 まない)の平成27年中所得金額の合計が800万円 以下の場合に申請できます(ただし55歳以上の方 が退職により減免を受ける場合、所得制限はあり ません)。

(2016年7月)

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