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2016/03/30

確定申告(平成27年分)を終えて

Tweet ThisSend to Facebook | by kawahara

確定申告(平成27年分)を終えて


3割以上が所得減少

 平成27年分の所得税の確定申告が終わりました。今年の自主計算・自主申告のなかで聞き取ったことを中心に確定申告の傾向などをふりかえります。また所得は消費税増税前の平成25年分の確定申告の聞き取り分と比較しました。
 所得については「増加」した会員は全体の25%でした。「変わらない(前後1割以内の変動)」は40%。「減少」した会員は35%でした。大まかに業種で見ると建設関連が「増加」の割合がもっとも多く、40%近くが「増加」しましたが、製造業は28%にとどまり、販売、飲食、サービスなど非製造業は16%ともっとも「増加」の割合が少なくなりました。
 2年前に「所得減」であった会員が今回も「所得減」であるケースが多くみられました。所得(利益)の減少が、さらなる所得の減少をまねいている傾向が読み取れますが、事業主の高齢化や設備の老朽化が反映しているものと考えられます。

重くのしかかる消費税

 消費税については、「転嫁できない」会員は外税が主の製造業ではほとんどなく、内税が主になる飲食、サービス関係では「充分転嫁出来ない」がやや目立ちました。また建設関連では「消費税分の値引」が目立ちました。ただ製造業でも「賃加工」の会員で「充分転嫁出来ない」場合が見うけられました。とくに飲食、サービス業で昨年4月の増税時に転嫁できなかった場合が多く、10%の再増税をにらんで「値上げしなかった」ケースも見受けられました。
 また、「納税」については「苦しい」「大変」と答えた会員は聞き取りをしたほぼ全員で、8%になっていっそう「苦しくなった」が多数をしめました。納税のために計画的な「積立」などをおこなっている会員はごくわずかでした。約半数が「分割納付」をしており、なかには6回以上、10回、12回というケースも見られました。「延滞金を払ってでも分割せざるを得ない」という実態が浮かび上がっています。また、少数ですが滞納も見うけられました。
 来年4月に予定されている10%への増税に対しては、製造業のほぼ全員が転嫁については対応できるとしていますが、納税については「滞納」を心配する声が多数上がっていました。

自主記帳のとりくみを強めよう

 一昨年から「記帳の義務化」に対応して「自主記帳」のとりくみを強めています。これまで確定申告前の「税金説明会」では科目別・月別集計を中心とした「簡便な」方法を紹介してきました。しかし、一昨年からはそれに加えて、売上、仕入、経費の日々の取引を記録していく帳簿方式「簡易帳簿」を紹介しています。
 確定申告は税金の申告と同時に「経営」を数字で点検する大事な機会です。納税者の権利をまもり、経営の改善のために「自主記帳」をおおいに生かしましょう。  今後、会では「簡易帳簿」をつかった講習会、会計ソフトをつかったパソコン会計講座も計画しています。ぜひご活用ください。

(2016年3月)


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